50歳間近の体調回復
帰ってきてからも友人とのLINEがつづく。
遠距離恋愛の恋人同士のように。
友人は映画が大好きなオタクだ。 しかも世界観はつげ義春が好きだ。
彼女が小さい時から抱いてきた異質な感覚は 独特であり、同じ場所にいながら全く違う世界を生きており、またそれを指摘する強い怖い人間に囲まれて、そのつげ義春的世界観を小さいろうそくの火をかばうように大切に大切に生きてきたのだ。
50歳が近くなり、やっと自分の世界はこんな感じだ!と胸を張って生きることを肯定し、彼女は職場をどんどん変えて人間関係をポイポイ切り離して生きている。
わたしは、うれしい。
アンチエイジング、なんて2万の美容液で目尻のシワを無くそうとはせずに、私達はたしかに 19歳は19歳、27歳は27歳。 47歳は47歳。
年相応に悩み、精一杯生きたことを誇りに思う。年を取るのが嬉しい。
別れたあとのLINEを続けて頭が痛くなり、肩が凝り、眠れなかった。 わたしは肩を押さえて笑った。
まったく、音沙汰無くなり、大昔のいつかの 友達だった。 ほんの最近まで。 なんとかLINEを交換して、また再会した。
それで、つげ義春と頭痛かよ。
ほんとに、まったく。 ディズニーの話しでもしてみたいよ。