働きません
大学の合否は、来週の今ごろ分かっている。
共通テスト、乗り越えて私立大学の一般試験を乗り越えて、もちろん初めてのインターネット出願もなんとかできた。
調査書が間に合わないかもしれない不安も、 寒い中、学校に取りに行った。 学校が家から近いのも、今考えると有利だった あの日、もし学校が遠くて先生に会えなかったら出願が間に合わなかったかもしれない。
息子は、主人の病気でバタバタしながらなんとか育てて、わがままもはみ出すことも出来ずに 迷惑をかけないように遠慮して成長した子だ。
サッカーをして、キャプテンをして私立にスカウトされたが、家庭の経済力を気にして私立に 進まなかった。
結局は県下一の、サッカー実力校の公立へ進み、私立へ行った友達が高校から公立に進学し また同じようにサッカーの実力を高いレベルで 競うことができた。
勉強が出来るのは、本人の才能と素質もある。 私も息子にはとにかく、健康でケガなく生きていれば他は期待しなかった。 とにかく、体調と食事を気にしていたのが今となっては、シンプルに子育てが出来て本人の能力が伸ばせたと思う。
これから、受験に向けてスタートを切る、といった9月の息子の誕生日に、私は倒れた。
いまとなっては、こんなにも一緒に過ごせて 世話が出来て幸せだった。
働き詰めだったわたしに、いつも気を使って面倒にならないように気を回してきた息子。
働いていない私を見るのは、違和感があるだろうな。 傷病手当金が出ていて、お金がまったく入らないことになったわけじゃないし、この大学受験の為に大学にかかる費用は全額貯めている、 と伝えた。
本人の気が済むように、大学は6大学受験した。 お金がかかる、と気持ちが落ち込む日はまったくない。
毎日が満たされている。
私は、このときのために働いて働いてきた。
低年収、難病。
諦めることなんかない。 働かなくても、お金は入る。
時間を切り売りしなくても、生活は満たされる。
わたしはまだまだ、働きません。