失われた30年と私達
18歳、1994年4月に私達4人は出会った。 短期大学の入学式、オリエンテーション。 名字が、あ、い、う、う、お、と並ぶ私達。 自然に顔を合わすことが多くなった。
私だけが県外から来ていて、あとは地元の 子達だった。
女子ばかりで、県内国立を受けて落ちた子やしょうがなく進学した子ばかりのあまり勉強の出来ない、やる気を失ったような子たちばかりだった。
県外から来て、友達のいない私にとって地元の みんなは姉のような存在だった。
私は自分の地元の友達より、この県外の友達といると安心し、謙虚になり、ワクワクする。
30年ぶりに、駅の改札から声のする方に向かう。
髪型、服装、バッグ、帽子。
まったく変わらないあの子だった。
5人で集まる。
髪型、髪色、服装、バッグ、帽子、靴、 話し方、話す内容。
まったく成長がなかった。 5人でしばらく黙り込むほどだった。
30年経ったのに、なんにも変わらなかった。