ついに来た。
昨日、また家計簿をつけていた。
かなりたくさん貯金をしたが、無職のままだと
あと2年しかもたない予測だ。
ふだんからマイナス家計にはなっていないが、
貯金がゼロになってから働くのは、少し心もとない、さみしい、かなしい、不安。
負けてはいけない、働いたら負けなんだ。
そう心に決めて、まるで修行僧のように、早朝ウォーキング、掃除、片付け、断捨離を毎日毎日続けているのだ。世間との関わりをも、断捨離して1週間に2人で10000円しか使っていないのだから!
そして、夜はいつものように、瞑想し、ヨガをして寝た。
夢の中の私はいつも働いている。
お客様の対応、クレームに追われていたり、熱を出した子どもを迎えに走ったりしている。
夜中に目が覚めて涙が出るときもある。
働いていたことが懐かしい、そう、捨てた世間はまるで故郷のように懐かしい。
その夜中は大雨。
スマホを開けて、ついに求人票を見た。
近所なら短時間なら、働けるはずだ。
近所に、誰もいかない高級アパレル店がある。
40年ほど続く大企業であるが、いったい誰の売り上げで継続しているのかわからない。
その店が、短時間のアルバイトを募集していた。
服は好きだが、高額な服は買わない、いつも
セカンドストリートなんだよね。
しかし、わたしはその企業を19歳新卒で採用されていた。そう、憧れて採用試験を受けていたんだ。
短時間でいい、もっといったら、お金はいらない。また、働きたい。
わたしは、大雨の夜中に、近所のアパレル店の
バイトに行ってみようと決めた。
46歳9月、ヘルニアで倒れてちょうど1年。
人生は予想意外にいつも運ばれていく。